1000勝1000敗への長い長い道のり

北見市のテニスサークル「テニスチーム弾丸」スタッフのブログです。 当サイトはリンクフリーです。リンク、コメントなど歓迎致します。

カテゴリ: メンタル

スポーツには「セーフティリード」という言葉がありますね。このくらい点差がついたらもう決着はついただろう、勝負あったな、という点差です。
試合序盤なら多少の点差は跳ね返せるかもしれませんが、残り時間や回数が少なくなれば逆転のチャンスは限られてきます。
野球で言えば7回終了での5点差、満塁ホームランでも追い付けないくらいの点差でしょう。サッカーで言えば残り10分で2点差、バスケで言えば4Q開始時点で20点差などなど、客観的に見て逆転は難しいと思われる状況は多々あります。

ではテニスにおけるセーフティリードとは・・・?

私は「そんなものは無い」と思っています。
5-0から逆転されたことはありませんか?0-5から逆転したことはありませんか?私は両方あります。

5-0からの逆転負けは、2013/6/30 紋別会長杯シングルス1回戦
http://1000-1000.blog.tennis365.net/archives/day/20130630.html
気持ち良く打ち合っているときは先にミスしてくれていたのが、5-0から完全に守りを固められ、打ってくるのはスライスとロブのみ。攻めの姿勢は崩さなかったが、徹底した守備を突き破ることができずタイブレーク負け。

0-5からの逆転勝ちは、2016/8/28 北北海道都市対抗テニス大会 VS大空町
http://tblo.tennis365.net/1000-1000/2016/08/29/2016828%e3%81%ae%e6%88%a6%e7%b8%be%e3%80%80%e5%8c%97%e5%8c%97%e6%b5%b7%e9%81%93%e9%83%bd%e5%b8%82%e5%af%be%e6%8a%97%e3%83%86%e3%83%8b%e3%82%b9%e5%a4%a7%e4%bc%9a/
相手のフラットサーブとバックハンドスライスに対してリズムが掴めず、数回あった40-40をことごとく落として気づけば0-5。しかし技術でも身体能力でも負けているとは思えず、相手が勝ちを意識してやや硬くなったところを逆襲。流れがこちらに傾けば本来の球威を取り戻して、以降は圧倒。

こんな例はいくらでもあるでしょう。ITFにおける最大の逆転劇は2019年4月9日、イギリス・サンダーランドの女子シングルス1回戦、世界479位のテラ・ムーレが0-6、0-5 30-40のマッチポイントから 0-6 7-6(7) 6-3で勝利した一戦と言われています。

テニスは制限時間が過ぎれば勝敗が決まるスポーツではありません。攻撃回数が決まっているスポーツでもありません。最後の1ポイントを奪い取らなければ決着がつかないのです。1セットマッチにおける4-1、5-2など何が起こるかわからない、リードのうちに入らないのですよ。
joseph
「相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している」

いつしか「4-1でしょ?思いっきりサーブ打っていい?」とか言ってダブルフォルトかまして負けそうになったひなしー、もう絶対打たさん。最後まできっちりプレイして必ず勝つ!

テニスシーズンも後半に入りました。
道東で屋外テニスができるのは10月末くらいまで、大会があるのは10月半ばまでです。それ以降はいつ雪が降るかわかりませんからね・・・。

今年予定されている北見市の大会は以下の通りです。

9/15 岡メモリアルテニストーナメント(A級男女・ベテラン男女/シングルス)
9/23 お楽しみテニス大会(個人エントリー/団体戦)
9/29 秋季北見選手権(A級男女・B級男女/ダブルス)
10/13 北見市民大会(A級男女・B級男女・ベテラン・混合/ダブルス)


お楽しみテニス大会は個人参加で、運営側で組分けされたチームで戦う団体戦です。勝敗を競うというよりも親睦を兼ねた大会なので、初心者のデビュー戦やテニス仲間を探すには最適でしょう。
また、市民大会は参加料が安い上にミックスダブルスもあるので、コストパフォーマンスに優れています。
いずれにしても普段練習を頑張っているのなら、一度はテニスの大会というものに出場してほしいと思うのですよ。

試合会場には他の出場者や応援など、少なくても数十人が集まります。そんな人数に自分の一挙手一投足を見られる場面というのはなかなかありませんし、緊張で足が震えるという経験もそうは無いでしょう。
もし入賞すれば、その数十人から祝福される中で賞品を受け取ることになります。それはスポーツを人並み以上に頑張ってきた者だけが味わえる瞬間であり、その達成感や充実感は次への希望になります。

初心者・初級者さんに大会出場を薦めると、たいてい「いやーまだ早いですよ」という答えが返ってきます。そして練習を積んで初中級くらいになっても、「どうせ1回戦で負けるしー」と言います。
そこで私は言いたい、負けることの何が悪いんだと。トーナメントなら出場者の半分は1回戦負けだよと。私の戦績を見てほしい、8年間で通算425回負けているよと。
デビュー戦の4連続ダブルフォルトも、紋別シングルス5-0からの逆転負けも、1セットで5点しか取れなかった北見シングルス惨敗も、ガチガチに緊張してアウトのコールさえできなかった都市対抗デビュー戦も、すべてが糧になって今の私が出来上がっています。

上達には負けが絶対に必要です。大事なのはトライ&エラー、まずは出場して失敗するところから始まります。
何十年も練習して強くなってから試合に出るんじゃないよ、試合に出たから強くなったんだよ!
tatsujin
試合の申し込みなんてコートハウスの名簿に名前を書くだけです。さあ書け、いいから書け、今すぐ書け!

私は「結果論」というものが嫌いです。
行動が終わって結果が出てから「ほらやっぱり◯◯だった」などと言われても、何の意味も価値もありません。
大事なのは自分の選択に根拠と自信を持って貫くことで、結果は後からついてくるだけのものだと思います。

5-5 40-40という重要な局面でどんなプレイを選択するか?
それまでの展開にもよりますが、私なら「一番自信のあるショットを打つ」「一番強気な選択肢を採る」です。
サーバーならその日一番確率が良いコースへ全力トップスライス、リターナーならサーバー足元へ強打、前衛ならポーチ。

ただし先述の通り「根拠」も必要なので

「絶対フォルトしないコースと球威で打つ」
「相手前衛がポーチに出てこないからクロスに打つ」
「相手前衛が強気だからロブリターンにする」

など事前にパートナーと相談して行動を決めておき、失敗しても絶対後悔しないぞ、という覚悟で打ちます。
根拠を基に勇気を持って行動したなら、悪い結果が出たとしても次につながります。迷いにつながるような周りの結果論など、この際放っておきましょう。


よくいるじゃないですか、野球の解説者とかで。

実況「2アウト満塁、ここでどのような投球を見せるのか」
解説「打てるもんなら打ってみろ、って真ん中にストレートでいいんですよ」
実況「ストレート打ったー!満塁ホームラーン!」
解説「あーやっぱりねー。配球が雑なんですよ」


一体どうしろと言うんですかね・・・。

テニスに限らず、スポーツは「心・技・体」が揃わなければ勝てないと言われますよね。

ではなぜ「技」の練習しかしないのですか?
テニス強くなりたいよ~試合に勝ちたいよ~と言いながら、ボールを打つ練習しかしていない方が多いように見受けられます。
確かにボールを強く正確に捕らえることができれば有利です。ですが体力不足でショットが乱れてきたり、プレッシャーで思うように身体が動かないこともよくあります。つまりは「体」「心」が伴わなければ「技」が発揮できないのです。

本当に強くなりたいと願う一部の方は、トレーニングしたり走り込んだりしています。
移動が速くて守備範囲が広ければ相手にプレッシャーがかかりますし、少しでも早く打点に入ることができれば正確なショットが打てます。体幹や腕力が強ければ少ない力で強いショットが打てるでしょう。
これもやはりボールを相手コートに収める「技」がなければ無意味ですし、プレッシャーの中で身体を正確に動かすには「心」の安定が必要になります。

にも関わらず、「心」のトレーニングをしている方は本当に少ないと思います。
私も偉そうに言えるほどではありませんが、常に気をつけていることがあります。

「プレイ中マイナスの言葉を使わないこと」。

「あーもう調子悪いなー」
「何やってんだ俺」
「ちくしょう何だよ今の」


などと抽象的なマイナスの言葉を使っていると、本当に調子が落ちていってしまいます。試合ならば次のポイントに影響しますし、練習ならば効率が落ちます。失敗したとしても

「準備が遅かったのかな?」
「今のはショットの選択ミスだな」
「攻撃してミスしただけだからOK」


と具体的なプラスの言葉に置き換えれば、単なるミスではなく立ち直りや上達へのヒントになります。
最初はわざとらしくて構いません。心のトレーニングの第一歩、是非お試しください。

今年で第100回を迎える全国高校野球選手権、三重県代表が白山高校に決まりました。
この白山高校、5年前には部員5名。草だらけのグラウンドはネットも低く、周りの水田に落ちたボールを拾わなければなりませんでした。
学校の壮行会では「どうせコールド負けだろ」というヤジが飛んだといいます。

それが今年の春季大会でベスト8に入り、夏の壮行会で監督が「甲子園を目指す」と宣言しての優勝です。当時バカにされた先輩達も、今年の選手達も、どれほど嬉しかったことでしょうか。


「どうせコールド負けだろ」と言うような人はたくさんいます。それを聞いて笑うような人も同じです。
ほう、お前らはグラウンドの草むしりしたかい?田んぼに落ちたボール拾ったかい?逆境を言い訳にしないで努力したかい?限界まで何かに打ち込んだことがあるかい?
ないよね?だから他人の努力を笑えるんですよ。
学生時代に野球部の主将を務めていたとき、初心者でも頑張って練習していた部員に「お前なんか必要とされてないだろwww」と言った奴を教室の◯◯から✕✕したことがあります。もちろん職員室に呼び出されて厳重注意を食らいましたが、全く後悔も反省もしていません。もし弾丸の初心者の努力をバカにするような奴がいたら、やはりコートハウスの◯◯から✕✕してやりますよ。


そもそも、コールド負けとはそんなに恥ずかしいものですかね?3セットマッチ0-6、0-6で負けたら恥ずかしい?
毎日毎日練習して、アドバイスをもらって、自分でも工夫して、必死でボールを追いかけて、最後まで自分を信じて戦って、それでも力及ばず大差で敗れることは必ずあります。
私はそれを恥ずかしいとは思いません。恥ずかしいのは「どうせボロ負けするんだろwwwなに無駄な努力しちゃってんのwww」と人の努力をバカにすることです。

コールド負けをバカにする奴は、コールド負けすらしてない奴ですよ。何もせずに外側から「どうせ無理」と言ってるだけのカスです。いちいち相手をする価値もありません。
周囲の雑音に耳を貸す必要はありません。人の目を気にする必要もありません。ただ黄色いボールを打ち続ければ良いのです。

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